初めまして!三重県庁のsakiと申します。
こちらに記事を書かせていただくのは初めてになりますが、実は以前に少しだけ、「隣の公務員」の公式Twitterで「編集T」として過去記事の紹介をさせていただいておりました(現在Twitterは編集長メインで運営されています)。
きっかけとなったのは、さいたま市役所に勤務しながらライターや講師など幅広く活動されている島田正樹さんが初めて著書を発売されたこと。
島田さんのSNSの投稿で、出版元が読者モニターを募集していると知り、良い機会だと思って応募してみたところ幸いにも当選。読者モニターの条件がSNSやブログなどで書評を公開することだったので、編集長にご相談させていただき、今回「隣の公務員」の場をお借りすることになりました。
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さて、前置きが長くなりましたが、島田さんの初著書『公務員の働き方デザイン』、とても良い本です。現役公務員はもちろん、組織内外で働く全ての人に通ずる内容だと感じました。
全体を通して述べられているのは、“もっと自分らしく主体的に働こう”というメッセージ。
「はじめに」でも触れられていますが、組織のあり方や業務遂行の面で、公務員には“自らデザインしていく”という視点でキャリアを考えていくことが難しいという業界特有の難しさがあることが前提となっています。
特に私が印象に残ったのは、CHAPTER3-02「望まない異動でくさる前に、置かれた場所で咲こう」の部分。
詳しくは本書を見ていただきたいのですが、以前同じような内容で島田さんがブログの記事を書いてSNSでシェアしていらっしゃったときには多くの方がコメントをされていて、かなり反響が大きかったのではないかと感じていました。公務員である以上、転職のような異動のタイミングが数年に一度やってくることは避けて通れない道。だからこそ、多くの方がそのことで悩まれているということなのでしょう。
本文から少しだけ引用させてください。
『大事なのは異動の本当の意味を知ることではなく、「主体的に」自分の異動に意味づけすることで納得して新しい職場や仕事と向き合い、最善を尽くすこと。』
「主体的に」、つまり自分自身で、というところがポイントです。
私個人の話になりますが、初めての異動の際は思ってもみない部署への異動だったこともあり、かなり動揺した経験があります。そのとき同じような思いをした同期の仲間が、「一言で良いから、人事から『あなたはこの理由でこの職場に配属されました』と言われたら頑張れるのに」と言っていたのを聞き、「確かに!」と思ったのをよく覚えています。
でも、今になってみて思うのは、もし本当に人事から異動の理由を聞いたところで、自分自身が納得できるかはまた別の問題ということ。そして、また本文からの引用になるのですが、
『希望が叶っても叶わなくても、異動先で出会う人や与えられる仕事とどう向き合うかによって私たちのキャリアは大きく変わる可能性がある。』
今ではこの言葉にすごく納得している自分がいます!
このように、公務員として働く中で“あるある”な場面や事例が随所に散りばめられており、同業者であればきっと共感したり納得したりすることも多いのではないでしょうか。
終始、島田さんの人柄が滲み出ているような優しい語り口の、非常に読み易い本でした。
気になった方は是非一度手に取ってみてください!