ぎょうせい社の自治体の仕事シリーズ。議会事務局と言えばおなじみ、軍師・清水克士さんの著書です。
(地方)議会の動きがアタマに入ってこないということで入手して読み始めたのですが、序盤から「脱“ひとごと意識”」「脱“先例主義”」「脱“申し合わせ”」「脱“中央崇拝”」「脱“横並び”」「攻撃的執務のすすめ」と、刺激的なタイトルが続きます。議会事務局職員ならずとも、読み応えのある内容です。
また、コラムも刺激的。調整未了の議題を議員運営委員会にかけたエピソードなど、軍師の心意気を感じます。この本でもっとも印象に残ったのもコラム「議会の政策立案機能は何のため?」でした。
議会は構造的に市民からの信望を集めにくい立場に置かれているとも言えます。(中略)では、どうすべきでしょうか。それは首長ではできない政策を、議会で実現することではないでしょうか。具体的には、直面した行政課題が、①行政の縦割りの狭間にある課題、②行政が率先してはやりたがらない課題、③当面の対応に手いっぱいで中長期的対応策を検討する余力が行政にない状況、これらのいずれかに該当するようなケースに、議会が率先して政策立案することではないでしょうか。つまり、議会でしか実現できない市民幸福度の向上を図ることです。
シビれます。このことを議員ではなく議会事務局の立場で声高らかに宣言されるのが、軍師たるゆえんです。
議会にまつわる基礎情報を得るために買ったわけですが、それ以上に、そもそも論を考えるきっかけを提供してくれる一冊でした。
◆こんな人におススメ
地方議会って何それおいしいの?と思っている方。
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