どこの自治体も似たような名前の部局(部署)ばかり。でも、注意して見てみると、大きな違いがあるのは知ってますか。
今回は、別の自治体に出向して気付いた「部局名の並び順」について。
出向元と出向先の違い
出向元は「●●部●●室●●課」という並び順
それに対して
出向先は「●●局●●部●●課」という並び順
出向元は「部」「室」「課」と続くのに対して、出向先は「局」「部」「課」と「部」の上に「局」という組織単位があったのです。
行政経験が少なかった当時、「部長」が一番偉いものだと思い込んでいた私は、「局長」という人がいる出向先の組織体制に、少なからずカルチャーショックを受けました。
出向していた2年間は「局長」と「部長」を言い間違って、同僚によく指摘されたのを思い出します。
「出向元は●●部でした!」と自己紹介するときも、「部というのは、こっちでいうところの局でして…」と注釈付きで説明することを覚えました。
ホームページで簡単に調べられる
部局の並び順が違うことに気づいた私は、全国ではどうなっているのかなと思い、ホームページで調べてみたところ、
たとえば、食育の担当部局でいうと以下のとおりでした。
北海道は「農政部 食の安全推進局 食品政策課」
東京都は「 産業労働局 農林水産部 食料安全課 食品情報担当」
堺市は「 健康福祉局 健康部 健康医療推進課」
自治体によって、「部」と「局」の大小関係が違うことが分かります。
分野ごとの一番大きな部局の単位は、おおむね、都道府県は「部」、政令市は「局」であることが多いようです。しかし、東京都のように、都道府県でも「局」だったり、政令市でも「部」だったりするよう。
参考:都道府県,政令指定都市の食育担当部署一覧
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/sityouson.html
多少間違ってもね…とは言いつつ
単なる部局名の並び順の違いとはいえ、 その組織の「名前」ですから、公務員ビギナーは注意した方がいいかもしれません。
同じ「部長」でも組織全体の位置づけが違うことがあります。
たとえば、他の自治体に対して文書を送るとき、同じ「部長名」でいいのかとか、挨拶してもらうのは「部長」なのか「局長」なのかとか。
これまで行政実務をしていると、送られてきた通知文などが間違っていることも多々あります。些細なことであれば問題にもならないのが通常だと思いますが、相手の組織ホームページを見ればすぐに分かることです。自分の組織と違うかも、という意識は常にあった方がいいかもしれません。
さらに目を凝らすと、部局名の並び順に込められた、その自治体の「想い」や「歴史」まで見えてくるかもしれませんね。