みえさんの本は、その人柄と同じように、あったかい。まるで、若手公務員女子みんなの、職業人生における母のように。
これまで、男性公務員が公務員に向けて書いた公務員本は、数あった。
彼らの言葉は、力強く、公務員は可能性に満ちていると教えてくれる。
そんな言葉を誇らしく思いつつ、同時に息苦しさを覚えていた。
だって、私にはできない。
だって、彼らが活躍している間、家事や育児は誰がしているの?
そんなひねくれたことを思ってしまう。
でも、みえさんの本は違った。同じことを言っていても、伝え方が違うだけで、言葉を発する人が違うだけで、こんなにも響き方がちがうのかと驚いた。素直にそうだな、と思ってしまう。
たぶん、根底にあるのは、できない人への共感なのだと思う。できない人を否定しない。うまくいかないこともあるよね、と寄り添ってくれる姿勢だ。
だからこそ、励まされ、そしてちょっとがんばってみようかなと思える。
この本は、全てのがんばり屋さんに対する優しいエールだ。