固定資産税課税というお仕事vol.4 | 隣の公務員

固定資産税課税というお仕事vol.4

京都府長岡京市のKIYOです。前回から固定資産税課税の具体的な話をしていました。

前回の記事(Vol.3)はコチラ→https://comuin.com/2020/12/31/post-1398/

今回は、「正しい時期に、正しい方法で納税義務者に納税の告知を行うこと」についてお伝えしたいと思います。

固定資産税の納期は年4回ですが(原則4月、7月、12月、2月中で条例で定める)(法362条)、納税通知書等を納税者に交付して初めて徴収することができます。なお、納期限の前10日までに納税者に交付しなければなりません(法364条)。

「納税義務者に納税通知書を送る」というのは、基本的には納税義務者の住民票上の住所に納税通知書を送付するという単純な話なのですが、これまたなかなか一筋縄ではいきません。

◆本人以外に通知する場合がある?

例えば、所有者が海外に引っ越した。そんな場合に「納税管理人制度」というものがあります。納税義務を負う市町村内に住所等を有しない場合に、第三者を納税管理人として申告してもらうという制度です(法355条、20条)。

また、納税義務者が認知症になった等、納税義務者が「制限行為能力者」である場合は成年後見人等に納税通知書を送付しなければならないこともあります。(民法第7条等)

◆誰に通知すればいいか分からない場合がある?

前回「死亡者課税」についての説明でお話ししたとおり、登記名義人が死亡している場合は相続人を調査して、その相続人に納税通知書を送付する必要があります。

(注)前回も軽く触れましたが、相続人全員(=共有者全員)に納税通知書を送付する必要はありません。共有物件は連帯納税義務だからです。Aさんに20,000円、Bさんに20,000円ではなく、AさんBさん全体に40,000円が課税されるイメージですが、たとえばAさんに納税通知書を送付すれば、Aさんから40,000円を徴収することができます。ただし、Bさんからは徴収することはできません。Bさんから徴収しようとする場合はBさんに納税通知書を送付する必要があります。

また、登記名義人が死亡して身寄りがおらず、相続人が存在しないというケースもあります。そのような場合は「相続財産管理人制度」を利用することになります(民法第951-959条)。ざっくり言うと、持ち主が居なくなった固定資産を「処分」してもらう相続財産管理人を家庭裁判所に選任してもらうという制度です。ただ、費用対効果の問題もあり、この制度を使うに使えないというケースも少なくありません。

◆どうやって通知すればいいか困るケースも?

先ほど、所有者が海外に引っ越したケースを挙げました。本来なら所有者は納税管理人の申告等をしなければならないのですが、申告等がなかった場合はどうするか。そんな時は書類の送達が困難ということで、「所有者にいつでも納税通知書を交付します」と自治体の掲示板に掲示することで、通知(送達)したものとみなすという「公示送達」の制度を利用することになります(法20条の2)。

ちなみに、所有者が住民票住所に居ない、あるいは書類の受取を拒否するといった場合は、 送達すべき場所に書類を差し置いておけばよいという規定もあります(法20条)。

◆さいごに

前回の「納税義務者=固定資産の所有者」に引き続き、今回の「納税義務者に納税通知書を送る」というシンプルな話も奥深さがあると感じていただけたでしょうか。「納税の告知」は正しく成立していない状態で税を徴収すると違法性を問われる可能性がありますので、単純ですが気を抜けないところです。次回は、いよいよ皆さんが気になる税額についてお話ししたいと思います。(つづく)

この記事を書いた人:KIYO
KIYO

「キヨさん」こと京都府長岡京市の清原と申します。システムエンジニア5年と人材育成5年の後に公務員に転職。好物は美味しいものとおもしろいこと。 行動原理は「10年間のハンデを埋めたい」という思いと「タコツボ化してはいけないなぁ」という思いと…。

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