セーフティネットの守護神

こんにちは。はっちーです。今日は僕が2課目に経験した生活保護とその時の経験についてお話しします。

同じライター仲間に伝説的なケースワーカーである「があ」さんがいてはるので、僕のはゆる~くそして、心の持ち方として参考になればと思います。

入庁し5年市民税を経験した後、生活保護に異動となりました。生活保護と言えば役所内でも随一の不人気職場。かく言う僕も正直「ここだけは・・・」と思っていた部署でした。

役所の仕事の中でも漫画になったりドラマ化されたりと市役所がになう業務としてはメジャーな方なのかなと思いますが。「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するため、「今現在」法で定めた「最低生活費以下」のお金しか持たない人なら「誰でも」保護を受けることができます。

事業で失敗した人、病気により失業した人、不慮の事故にあって障害が残ってしまった人、若い時に年金をかけていないがために年金がもらえない人、ギャンブルで散財した人、未成年で妊娠出産した家出少女、人を殺して服役し出所後収入がない人・・・事情は様々ですが、「今」「お金も資産もなければ」「申請したら」「必ず」受けることができます。

「資産」は預金はもとより車や家、土地、学資保険などもそれに入ります。

保護を受けることが仕方なかった人もいますが、世間から見たら「自業自得」と思えるような理由のかたも多々います。年金かけてへんかったとか、ましてや犯罪に手を染めたとか、知らんがなって思いますが、「原因は問いません」

そんな人たちのお世話をし、自立のお手伝いをし、健康で文化的な生活を営んでもらうための手助けをするのがケースワーカーです。専門職の人もいますが、ほとんどは普通の事務職が異動辞令ひとつで担うことになります。

いろんな思い出がありますが、一番は、ある家に赴任後初めて訪問した時のこと。一人暮らしの70代の男性は僕を見るや、台所に行って錆びた出刃包丁を持ち出し、コタツにつきたてました!「お前が新しい担当か!どんな奴か知らんけど、なめとったら守り神が容赦せーへんぞ!」

市民税でも結構たくさん苦情を受けましたが、人としてこんな扱いを受けたのは初めてでしたね~。えらい世界に足を踏み入れてしまったと思いました。

亡くなったかたの部屋の掃除したり、問題を起こした人を警察に迎えに行ったり、何かが見えるとお札だらけの部屋に一人で訪問することもありました。しかし、彼らは彼らなりに一生懸命生きているので、寄り添った支援が必要です。

とは言うものの、一人のケースワーカーが担う家庭の数は法定でも80。右肩上がりに生活保護世帯が膨れ上がっている昨今法定内で収まっているところはそうそうありません。うちでもそうでした。当時若かった僕には処理しきれずに、2年目の夏に心の不調に陥ってしまいました。9月~12月の4か月間お休みし、翌4月には異動となりました。

まさに自分が!?ですよね。僕を直接ご存知のかたなら尚更そう思いはるのではないでしょうか?ポジティブとバイタリティが原色の服着て歩いてるようなこの自分がまさか心の不調に陥るとは。自分が一番信じられなかったし、自分だけ根性ないんじゃないかとかとても落ち込みました。けれど、心の病気は「病識を持てば半分治っている」と言われます。受給者のかたの中にも「自分は普通だ」「お前もオレをキチガイって言うんか!?」と自身の病気を自身が受け入れられず、結果治療につながらずに悪化していく人がとても多いです。そんな人を間近で見てきたからこそ「オレやばいかも・・・」と早めに気づくことができ、短期間で寛解することができました。それでも通院・服薬が完全になくなるまでは4年ほどかかりましたね~。

これ読んだら、ケースワーカーは本当に嫌がられるかもしれませんが。公務員は各担当はあれど「市民の命と財産を守る」ために存在します。縦割りと言っても一番土台にあるのはこの定義です。「市民の命と財産を守る」っていう土台の上に縦割りでビルが何棟もたっているイメージでしょうか。ビル同士の横ぐし連絡通路がこれから重要と言われており、それは全くその通りなんですが、基礎にあるのは「市民の命と財産」です。生活保護をはじめとするセーフティネットはその「命」を守る最前線であり、人の人生を左右するとても重大でやりがいのある仕事です。

市民税が役所の料金決定を決めていく最上流の基準とするなら、生活保護は一番下で命を守る「最後のセーフティネット」です。ここを経験すれば役所の本分と世の中の趨勢、そして何より強い心と沢山のスキルを身につけることができます。でも、もし配属されたら「無理をせず」「一人で抱え込まず」「しんどい時は仲間と共有して」これでもかっていうくらい自分も大切にしながら業務にあたってくださいね。

この記事を書いた人:はっちー

はっちー

貝塚市の八野(はちの)と申します。お気軽に「はっちー」と呼んでいただけると喜びます。面白いこと、新しいことを知ること、人とつながることが大好きな、40歳です!よろしくお願いします。

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