マジメ公務員が陥りがちなワナ
大阪のよくばりパパです。今日はマジメな公務員が陥りやすいワナについて。中堅職員である私が気を付けていることです。
公務員になったばかりの人はもちろん、中堅職員にも読んでほしいです。
さて、2019年はラグビーW杯が日本で開催され大いに盛り上がりました。日本は史上初の決勝トーナメントに進出するも、ベスト8で敗退。大阪や神戸でも一部の試合が行われ、日本中がラグビー一色になりました。
テレビでラグビーを見ると、私はいつもあの日のことを思い出します。
マジメな先輩がしてしまった『反則』を。
お休みで発覚した困った抱え込み
それは私が総務事務が中心のグループ(係)に所属していた時のこと。そのグループの業務の一つに、他の課からの照会(問い合わせ)事項を、自分の課内に複数あるグループに確認し、その回答をとりまとめ、他の課に返事をするという業務がありました。どこの自治体でもある(はず)の照会業務です。
他の課からの照会は毎日のようにメールで送られてきます。自分の課には関係がないもの、特定のグループにしか関係しないもの、回答期限が短いもの、超重要なもの……それらを適切に判別しながら、的確かつ期限内に回答する。そんな仕事でした。
その業務は主に私と先輩の二人で分担してやっていたのですが、3日ほど連続で先輩がお休みをされたことがありました。それ自体は問題がないのですが、お休みされて3日目にビックリすることが発覚したのです。
照会元から怒りの電話。
1週間ほど回答期限が過ぎているが、まだ回答が返ってきていない!
先輩にお願いしていた案件だったので、おそるおそる机の中を確認すると、手つかずの照会が。それ以外のほかの案件もありました。
先輩は処理しきれなかった仕事を、離さず抱え込んでいたのです。
慌てて上司と相談して対応。課内のグループにも照会元にも謝りながら、何とか処理が完了し、事なきを得ました。
ノット・リリース・ザ・ボール
ラグビーでは タックルされた選手はボールを離すルールになっています。タックルされたのにボールを離さないと「ノット・リリース・ザ・ボール」という「反則」になってしまいます。
まさに先輩は、対応できなくなった仕事(ボール)を他人に渡すことなく(ノット・リリース)抱え込んでしまっていました。
先輩が離せなかった理由は確認できていませんし、 様々な要因があったのだと思います。
決して不真面目な方ではなかったので、自分でやろう!という思いがあり、抱え込みにつながったのではないかと考えています。
でも、チームで仕事をすることが多い公務員の場合、やっぱり仕事の抱え込みは「反則」なのだと思います。
これが組織内の照会業務だったから重大な問題はなりませんでしたが、市民の方が直接かかわった案件だったらどうでしょうか。
実際に納税事務や申請書の処理など、業務を抱え込み、懲戒処分を受ける公務員もいるようです。
1人にしない、させない
ラグビーではタックルされたあと、すぐに仲間が駆けつけます。ラックという新たな攻撃の拠点を作ってボールを回していきます。
まさに公務員の仕事ってこの仲間のフォローで繋げていく。良くも悪くも継続性やチームプレーが問われる職種。相手のタックルに負けない個人の強さ(仕事の能力)も大事ですが、孤立しない、孤立させないチーム力が特に必要なのだと思います。
仕事を投げ出すのではなく、倒れそうになったらボールを「離す」勇気。そして、そんな人の近くにいてボールをもらう。そんなプレー(仕事)がしたいものです。
次回のラグビーワールドカップでの日本代表の更なる活躍を夢見ながら、よのなかをよくするため働く公務員のトライを願うのです。