仕事と仕事がつながるとき | 隣の公務員

仕事と仕事がつながるとき

写真(カードPOP)

こんにちは。現在は防災担当の「があ」です。

「地方公務員の仕事の面白さって何?」と聞かれたとき、色々とあって迷ってしまうのですが、「色んな仕事につけること」とよく答えています。
防災担当の前は広報担当、そしてその前は生活保護のケースワーカー。専門職でない私は、数年おきに人事異動があり『新しい仕事』につくことになります。

「公務員はポンポンと担当が変わって困る」なんて地域の方に言われたり、「数年で仕事を覚え直しなんて、大変じゃないの?」と言われることもあり、実際大変なこともあるんですが、目線を変えて「こんなことだってできるんだよ」という経験をご紹介しようと思います。

マスコットキャラクターの名刺をつくってみた

広報担当だった3年前の私。区民モニターのアンケート結果を見ながら頭を抱えてました(少し大げさ)。

「区役所からの情報が入らない」「区役所が何をやっているか分からない。」

広報紙、ホームページ、広報板、町会などの団体を通じた告知や回覧……色々とやってはいるものの、アンケートの結果はあまり変わりません。

そこで、私がもう少し力をいれてみようと思ったものの一つがSNSの活用。
そのとき区役所ではTwitterとFacebookページをすでに利用していたのですが、イベント告知などにつかうためLINE@を始めました。

LINE@を始めたは良いものの、SNSはフォローやお友だちになってもらえなければ情報を( 基本的には )読んでもらえません。
そこで、区役所のLINE@をお友だちにしてもらうために、お友だち申請用QRコードの案内をこんな感じで作ってみました。

名刺用紙を使ったカード型の案内。

工夫したところは、LINE@の案内ではなくマスコットキャラクター「ももてんちゃん」の名刺という見た目にしたこと。

「区役所」のお友だちになるのではなく「ももてんちゃん」のお友だちになってねということで、お友だちになることの抵抗感を少しでも和らげられればと思いました。

あと、ももてんちゃんの名刺にしておけば、イベントなどで着ぐるみの出演があるとき、触りにきてくれたお友だちに「ももてんちゃんの名刺です」と渡しやすいということも狙いました。

その後、飲食店などのショップカードをイメージしたデザインのものも考えて、POPスタンドなどを作って窓口に置いてみたりしています。

爆発的なお友だちの増加、というようなことはありませんが、今でも地味にお友だちを増やすことに貢献しています。

「非日常」に「日常」は活きる

さて、長い前置きが終わってここからが本題。

防災担当に異動になった私。異動してすぐに大阪北部地震や台風21号に直面することになります。

「(屋外)防災無線の声が聞こえなかった」「避難所が開設しているかどうか分からなかった」

区役所は何をしていたんだ、とのお叱りの声を受けながら、災害時に、どうすれば情報がダイレクトに住民に伝わるかをを考えることになります。

区役所のホームページに書いても見に来てもらえなかったり、災害時にはアクセス多寡で見られないということも想定されます。
Twitterは情報を爆発的に拡散させますが、いつ発信された情報が曖昧になるなど危険性を伴うことから、利用に注意しなければなりません。

そこで思い出したのがLINE@。
LINE@はプッシュ通知でお友だちに情報をダイレクトに届けることができます。Twitterのようにリツイートを繰り返した結果、発信日時や時系列が曖昧になることもありません。

LINE@を災害時に区役所からの情報伝達ツールとして活用してもらおうと思ったら、平時にお友だちになってもらってなければなりません。

その日から、私の名刺入れに「ももてんちゃんの名刺」も何枚か入ることになり、出前講座などで「災害時に区役所からの情報をどうやって得たらいいか?」と質問があれば、これを渡すようにしています。

「非常時に日常が活きる」

災害という「非常時」のために、広報という「日常」が活きる。

広報担当にいたとき、LINE@を防災に活かそうという発想はありませんでした。
短期間の人事異動で、色んな部署を渡り歩く。スペシャリストではなく、ゼネラリストとして地方公務員としての経験を積んでいく。

今やっている仕事が面白くなくても、1年後・5年後・10年後に仕事と仕事が繋がるときがくるかもしれない。
こんなことも公務員という仕事の面白さだと思っています。

おまけ。イベントでLINE@を紹介するときにはこんなのも作ってみました

この記事を書いた人:があ
があ

雑食系公務員ブロガー / 45分のランチタイムに命をかける「食の都」大阪の闘う公務員 / 文房具・ダンボー・観劇好き / 大阪生まれ・育ち・勤め / 観光地では外国人に間違えられがち

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