大阪府のよくばりパパです。今日は新人公務員(新規採用職員)に対して伝えたいことについて。これまで入庁1年の新人さん、入庁数年目の若手をたくさん見守ってきました。係長級から見た私が思う、新人公務員に大切なことを3つ書きたいと思います。
「誠実であること」「情報共有をしっかりすること」「顔を上げて職場を見渡すこと」の3つです。
まず大事なことは誠実であること
新人公務員の皆さんは毎日覚えることが多くて、右往左往しているかもしれません。また、役所の独特な文化や制度にも困惑しているかもしれませんし、ひょっとすると、もう辞めたいと思っている人もいるかもしれません。
役所はとても大きな「総合商社」みたいなものです。福祉や医療、土木、農業、商工、教育など生活のあらゆる分野に関わっています。こんなに幅広い分野の事業をやっている会社なんてまずありません。それくらい大きな範囲をカバーする役所で、新人公務員が仕事に戸惑い、上手にこなせないことは当たり前です。まずは、大きく気にすることではありません。
ただ、新人公務員は「誠実さ」を忘れないでほしいと思います。
役所は市民の方や事業者さんに対して、指導する立場にあることも多いです。その立場を自分の力だと勘違いして、偉そうな態度に出るというのは言語道断です。役所だけでは世の中を何も変えられませんし、住民の幸せは実現できません。そこをしっかり認識してほしいと思います。
また、誠実であることは、なにも役所の外部の人たちに対してだけではありません。役所では分野が違う別の部署との連携が必須で、とても重要です。なんたって「総合商社」ですから。取扱う分野や専門性が多岐にわたります。それらの関係部署の人たちに対しても「誠実」に対応することこそ、まずは新人公務員に求められる最低限の仕事です。
新人公務員の失敗は想定内だけど
誠実に仕事をしたうえで、新人公務員がやってしまう失敗は、係長の立場からすると当たり前です。役所はチームプレイなので、ある程度のことはチームで対応できるはずです。失敗を過度に恐れる必要はありません。
ただ、お願いしたいのは、「情報共有」です。
私が新人公務員のときは、「バッドニュースファースト(悪いことは一番に知らせる)こそ、唯一守ってほしいルールだ」と先輩に言われました。係長になったいま、本当にその通りだと思います。初動を間違えなければ、たいがいのことは対応できる(できないといけない)のですが、失敗の報告に気づけないと、雪だるま式に問題が多くなります。失敗自体は、恥ずかしいことでもなんでもないので、ちゃんと報告してほしいです。
顔を上げて職場を見渡す習慣を
もうひとつ、是非実践してほしいと思うことは「顔を上げて職場を見渡すこと」です。2つの意味があります。
ひとつは、周囲とのコミュニケーションのため。
事務系の新人さんであれば、与えられた仕事を一生懸命やろうとするあまり、パソコンに一日中じっと向き合う時間が多くなります。ただ、それだけだと、周りの人が声をかけにくく、様子が分かりにくいため、困っていることを気付いてあげられない可能性が高くなります。係長をはじめ周囲が積極的に声掛けをすることはもちろん必要ですが、新人公務員の方から、顔を上げて周囲の方とコミュニケーションをとっていってほしいです。
もうひとつは、職場の人の観察と視野の拡大のため。
いつも大声を出している人は何に怒っているんだろうか、課長が低調に電話しているのは誰だろうか、たまに雑談のような話をしにくる他課の人は誰なんだろうとか。
新人公務員には知りえない事情が職場の先輩職員にはあると思います。自分の仕事を優先することはもちろん大事ですが、いろんな業務があること、職員がいることを顔を上げて確認してほしいなと思います。
これは新人公務員に限らず身に着けてほしいことの一つでもあります。職歴があがっていくたび、仕事の範囲や内容が多岐にわたるようになるのが通常の公務員のキャリアです。現在の仕事や職域にとらわれず、庁内全体、さらには社会全体を見渡せる力や意識を持った公務員になってほしいです。
日ごろから「周りをしっかり見て仕事ができるか」ということが大切な習慣だと思います。
心身ともに健全な状態を保つこと
とはいうもののまずは1日1日元気に業務に従事することが何よりも大切なのは言うまでもありません。公務員を志したときの思いを忘れず、公務員のキャリアを歩んでいってほしいです。