元号が変わった今だからやるといいこと | 隣の公務員

元号が変わった今だからやるといいこと

写真(婚姻届のサンプル)

今年は元号が「平成」から「令和」に変わりました。

おおよそ30年ぶりの改元です。役所の仕事は、いわゆる「前例踏襲」が良くも悪くも常ですが、こういった数十年に一度といった出来事や、想定外の出来事というときには踏襲すべき前例がありません。

そんな時が、仕事を変えるチャンス! 

……なんて、ね。今日はそんな大きな話じゃありません。

私たち「隣の公務員」、普通の公務員がおすすめする「年号が変わった今だからやるといいこと」をご紹介します。

「昭和」→「平成」のころのこと

「昭和」から「平成」に変わった前回の改元のその瞬間、実は私はまだ学生で立ち会っていません。
私が役所に入ったのは平成5年のこと。今は駅前の再開発で建物がなくなってしまいましたが、大阪市東淀川区役所の出張所で住民登録担当を1年、戸籍担当を5年間つとめました。

当時はまだ住民票の発行がようやくシステム化されたばかり。戸籍はタイプライター(→これだ、これ。モジテック)で一文字一文字をタイプしていましたし、書類はB判からA判に切り替わる過渡期で、パソコンはおろか、ワープロ専用機が課に一台しかないという具合でした。

平成になって5年もたつというのに、窓口で来庁者に手渡す書類は「昭和」とかかれたものをゴム印で二重線で引いて「平成」と書き直したものがたっぷりと。コピー用の原本として使用している原稿も、何度もコピーを繰り返して文字が鮮明じゃないものが目立ちました。

そこで私は、空いた時間に気になった書類を少しずつリメイクしていきました。

最初はサイズをB5判からA4判に。名前を記入する欄が狭いなと思ったら、少し広くしたり。

これが意外と自分の役に立ちました。まだまだ仕事を理解していなかったぺーぺーだった新人時代の私。窓口で配布している案内をリメイクする時に、そこに書かれた文章を読み、内容を理解しようとします。その繰り返しが着実に知識になっていきました。

それから、職場を異動する度に、そこで使われている帳票などをリメイクして、いつの間にか習慣化しています。
先日、用事があって過去に在籍していた職場に行ってみると、10年近く前に私がリメイクした帳票をそのまま使ってました。ええかげんに作り替え~や。

令和時代の帳票リメイク

さて、昔と違って、今は一人一台のパソコンがあるような時代です。
「平成」から「令和」への文字の変更も一瞬でできてしまいます。

それでも、私はこの機会に、特に新規採用や異動で新しい職場に来たばかりという方には帳票リメイクをやってみることをおすすめしたいです。

もしも取り組んでみようという方は、令和時代の帳票リメイクとして、ぜひこんなことに気をつかって取り組んでみてはいかがでしょう。

使用しているフォントをUDフォントに変えてみる

高齢者でも読みやすいUDフォント(出典:(株)モリサワ)

多くの自治体ではWindowsが搭載されたパソコンで各種の帳票を作成していると思いますが、そのほとんどは標準の「MS明朝」や「MSゴシック」で作っています。

帳票リメイクにはぜひ、「UD(ユニバーサルデザイン)フォント」に変更しましょう。
システムがWindows10であれば、「UDデジタル教科書体」が、アップデートがきちんと済んでいれば、「BIZ UD明朝」「BIZ UDゴシック」も使用可能です。

UDフォントを使用することで、 文字そのものが「わかりやすく」、「読みやすく」、「読み間違えることがない」 という効果が期待できます。

帳票リメイクでフォントを変えるだけでも「やる意味がある」って訳です。

「やさしい日本語」に置き換えてみる

私の勤める大阪もそうですが、定住外国人に行政サービスを提供することが「昭和→平成」のころと比べて増えてきました。

帳票の多言語対応も大切ですが、お金も時間もかかります。
定住外国人の方であれば簡単な日本語であれば理解できるという方も多いと聞きます。

やさしい日本語」は、阪神・淡路大震災で被災した定住外国人のための情報発信体制が未整備であったことから、弘前大学社会言語学研究室がそのための具体的な政策として提唱しているものです。

どうしても専門用語や分かりにくい言葉で書きがちな帳票を、日本語の読み書きが堪能ではない外国人であっても理解できるようにと意識して、帳票リメイクをしてみる。

物事をやさしく住民の方に伝えるということは、どんな職場であっても役立つはずです。


時代が変わっても、小さな仕事が実は大切ってことはあるんじゃないかなぁ。
ぜひ、今年、このタイミングで帳票リメイク、取り組んでみませんか?

この記事を書いた人:があ
があ

雑食系公務員ブロガー / 45分のランチタイムに命をかける「食の都」大阪の闘う公務員 / 文房具・ダンボー・観劇好き / 大阪生まれ・育ち・勤め / 観光地では外国人に間違えられがち

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