【第2話のもやじょ】
30代・第一子育休から職場復帰して4年(4歳息子)
30代・新婚3ヶ月
のもやじょ2人がメインで美詠さんのお話をお聴きしました。
――――――――――――――――――――――――――――
地域住民の信頼感が公務員の力に
もやじょ:そもそも、美詠さんが公務員を目指したきっかけは何だったのでしょうか?
美詠さん:しょうもないきっかけで恥ずかしいのですが…。私たちの時代は、女性がちゃんと働ける仕事って、教師か公務員くらいしかなかったのです。
もやじょ:そうだったのですね。公務員になって良かったと思うとき、思う点は何でしょうか?
美詠さん:地域住民からの信頼感を実感したときに、公務員になってよかったと思います。
もやじょ:役所に入ってから、転職、特にほかの自治体への転職を考えられたことはありますか?もしある場合はどのようなときでしょうか?最近、「自分の所属にこのまま居続けるべきか、悩んでいる。」という相談を公務員の友人からもされました。
美詠さん:諫早生まれで諫早育ちなので、他の自治体への転職を考えたことはありません。
別の自治体や民間で働いて、広い視野や実力をつけたいと思ったことはあったかもしれません。
外部とつながって評価を得てきた
もやじょ:公務員の仕事の働きがいは何だと思われますか?人事評価は、副産物と捉えた方が良いのでしょうか。
―いい仕事をしよう、関係する人に喜んでもらえる仕事をしよう、と思い仕事をしますが、モチベーションが下がる時もあります。「評価される」と思うと嬉しくもなりますが、その「評価」は組織的な都合もあり、あまりそれを目指すのもよくないなぁと思います。市民に喜んでもらえた、という実感がもてるのが理想ですが、そのような部署も限られていると思います。
美詠さん:自己評価が低いと、他者からの評価が気になります。外部からの評価が高いと、職場の評価が低くても気になりませんよ。職員課時代に、人事評価制度を作った時には、職員のいいところを拾ってあげたいと思いながら作りました。周りからのどうしようもない意見は、笑顔でスルーです。職場外に出ていこうという人はあまり多くありませんからね。
もやじょ:やはり秘訣は、笑顔でスルーですね(笑)私自身も、外に出て、誰かと関わろうという人が少ないと感じています。私は所属する自治体がある地区で、公務員が集まる勉強会に関わっています。職場に声を掛けますが、反応がないですね。
美詠さん:私も職場の勉強会で著名な公務員を知ってもらおうと思いました。外の人との繋がりは、とても大事だと思います。
仕事に友達のツテを使えます。顔がわかっているので、話を聞きやすいですね。
私も人事評価制度の資料を他の自治体に情報提供してもらったことがあります。一方、職員研修の講師を紹介してもらえたこともありますね。
仕事で先進事例や他市の状況を調べる機会がありますが、話しやすい人を紹介してもらえるというのがつながりの良さですね(笑)
もやじょ:外部の活動での繋がりで情報が入ってきているのですね。他に、仕事関係、プライベートに関する日常の情報収集をする際、意識されていることやおすすめの方法はありますか?
美詠さん:情報は発信する人に集まるので、なるべく自分から発信するようにしています。
「見える化」「安心感」が職場を変える
もやじょ:変えたほうが良いと思う職場の風土や慣習などは何かありますでしょうか?
美詠さん:「見える化」が少ないことですね。あとは、失敗の共有がなされていないことです。
もやじょ:相性の悪い上司と一緒に働かなくてはならないとき、うまく立ち振る舞うために心がけていることは何かありますか?
美詠さん:「相性が悪い」と考えているのはどんな上司ですか。
もやじょ:仕事熱心な友人からよく聞く話ですが…。例えば、ある担当業務に関して、友人は「変えたい」と思い提案をするのですが、上司が非常に保守的で首を縦に振ってもらえないことがあるそうなんです。そんな上司は、私も少し、相性が今一つかなと感じています。何か改革をしようと思うときに、「やる気のある一部の人たちが頑張って変える」ことと「やる気のない人たちも巻き込んで少しずつ変えていく」ことは、どちらが効果的だと思われますか?
美詠さん:やる気のない人を巻き込むには相当のパワーが必要だと思います。保守的な方は、「自分が面倒なことに巻き込まれるのでは?」と不安があると思うのです。だから、その人に負担をかけないことを伝え安心させると良いと思います。巻き込まれるような人ならすでにやる気はあるのではないでしょうか(笑)
私にしかできないことを私らしく
もやじょ:仕事をする上で一番心がけていることは何でしょうか?
美詠さん:「私にできること」「私にしかできないこと」を「私らしくする!」ということです。
もやじょ:「私にできること」を増やすという意味で、お聞きしたいのですが…。
美詠さんは、さまざまな講座受講や資格を取得されていますが、30代にオススメの資格や講座などはありますか?私は今ちょうど30歳になり、何か勉強をしたいと思っています。
美詠さん:仕事に効きそうな資格で、興味がもてるものなら何でもいいと思いますが…。私は、コーチングとホワイトボードミーティングの資格が特に役に立った気がします。
もやじょ:ホワイトボードミーティングのボード、実際に見てみたいです!
美詠さん:どうぞ。こんな感じでミーティングしています。「見える化」ですね。
もやじょ:こんな風にミーティング内容が見える化されると、とても分かりやすいですね。
学び時間確保の秘訣
もやじょ:様々な資格をお持ちですが、勉強時間をどう確保されましたか?
美詠さん:家事の手抜き…。でしょうか(笑)
もやじょ:勉強やさまざまな活動を行うにあたり、ご家族にはどのように理解を得ていますか?「パートナーにはこれを言っておくといいよ」など具体的なアドバイスがあれば嬉しいです。我が家では、私が「やりたがり、参加したがり」ですが、子供が小さく、自分の時間の確保やイベントの参加などと家庭とのバランスが難しく、大体揉めるか、私が諦めます(涙)
美詠さん:我が家の特殊事情もありますが、一緒に活動している人を家族に紹介しています。子どもが小さいうちは優先順位を決めて、どうしても参加したいものを決めないといけないかもしれないですね。夫と妻、それぞれに優先したいものをわかっておくことが大事かなと思います。
もやじょ:なるほど。自分ばかりが、休日に活動するのは気が引けるので、「お互いが優先したいものをわかっておく」というのは、心が楽になりそうです。
美詠さん:家事育児をやっている量を全部見える化したら、夫より自分の方が多いのではないでしょうか?だからそんなに気にすることはないと思いますよ。
美詠さん流手帳術
もやじょ:異動で部署が変わるたびに、手帳の使い方に悩みます。特に子どもが産まれてからは、保育園の予定も加わり、手帳を上手く使いこなせていません。美詠さんの手帳を見せていただけないでしょうか。
美詠さん:どうぞ。
もやじょ:ありがとうございます!わー、予定が先々までたくさん決まっていますね。
(しばし、美詠さんの手帳を見せていただきながら、使い方について雑談に花が咲く)
美詠さん:休みは早めに周囲に言って、休む時間も予定に入れます。課長はすぐ呼び出されたり、小刻みに仕事が来たりします。時間軸で管理できるように、プライベートの予定もあらかじめ入れておきます。
それから、上司や部下の仕事も書き込んでおきます。こうしておくと、部下に「あの仕事どうだった~?」とか「お疲れだったね。」と声掛けできます。
もやじょ:そんな風に上司に見守ってもらえたら、やる気が出ます(笑)
タスク(やること)管理はどのようにされていますか。
美詠さん:to doリストではなく、予定に組み込んでしまいます。
もやじょ:考える時間をあらかじめ入れているのですね。目から鱗です。
(プライベートの時間も一冊で管理できて、職場内での動きも見える化することで仕事がスムーズになる!さすがの手帳術でした!)
【もやもや公務員女子相談室】 女性管理職、なりたい派VSなりたくない派―村川美詠さん#3
へ続く
【インタビュアー】
もやもや公務員女子部インタビューチーム
ようちゃん(東京)
みほ(東京)
ふーみん(東京)
けい(東京)
まい(栃木)
※各トピックは、複数の方からの質問を集約・分割しています。
※各話のもやじょプロフィールは、インタビュー時点(2019年12月)のものです。